180分と長尺なので人を選ぶかも
独特な映像美とその世界観を持ち、「花とアリス」などで知られる岩井俊二監督の作品です。
時間は180分と長めなので、世界観が合わない人はすぐにギブアップしてしまうかも。
私も物語が折り返したくらいのタイミングで少し飽きを感じました。
しかしそれもその一瞬のこと。
すぐに物語が動いたのでまた物語に入りこめました。
終盤にいたっては「もう終わっちゃうんだな…」という気持ちが湧いたほどです。
素晴らしかった3人のメインキャスト
物語自体は現実味がありそうでないようなふわっとした感じ。
それでも観続けられたのはキャスティングの素晴らしさに尽きると思います。
主体性がなくなんとなく導かれるままに進んでしまう黒木華、優しく気遣いはできるが非常に胡散臭い何でも屋の綾野剛、破天荒でありながら誰よりも繊細なCocco。
このメインキャスト3人がとても素晴らしかった。
本当にいてもおかしくないと思ってしまうくらい自然な感じが出ていた。
あとはちょっとドライな雰囲気とあいまっての相乗効果で素晴らしいと感じたのかもしれません。
Don't think.Feel!(考えるな。感じろ!)
綾野剛演じる何でも屋の意図や行動について考察されてたりもしますけど、そこまで深く考えるようなものじゃないと思っています。
ただ黒木華演じる冴えない女性が短期間にいろんなことを経験してほんの少し成長する、そんな素朴な物語ではないでしょうか。
そういう物語を好む人にしたらうってつけな作品ですが、そうでない人にとってはただただ退屈に感じるはずです。
実は3パターンあるみたい
劇場公開版、配信限定版、ドラマ版といくつかのバージョンがあるみたいです。
私が観たのは劇場公開版だけなので他のバージョンとの違いについてはっきりと知りませんが、配信限定版は2時間に収めたバージョンみたいです。
印象に残ったシーン
- 離婚を言い渡されて街をさまよった挙句、安室(綾野剛)に電話した七海(黒木華)が、今どこにいるんですかと聞かれて「ここどこだろ…あれ…?」とやや半狂乱ぎみにふらふらさまようシーン
- 目を覚ましたら隣で一緒に眠った真白(Cocco)が息を引き取っていたと知ったときの七海(黒木華)の渾身の慟哭。
評価
★★★☆☆(星3)
配信サイト:Amazon Primeビデオ